青島さかなさん主催の文芸競作イベント「千文字世界」がついに作品公開されました。同時に、感想掲示板、投票所とも設けられています。投稿は締め切られましたが、どなたでも自由に感想や投票に参加できますので、ぜひ覗いてみてくださいね。
それから、「500文字の心臓」で第57回タイトル競作「眼球」の投稿作品が発表されました。
どちらにも私は一作ずつ投稿しています。匿名性競作企画なので、作品は明かせませんが、そのへんも楽しみつつ、春のスタートに超短編の奥深い世界に触れてみてもらえたらと思います。
春一番で「眼球」ってどうよ、というツッコミはともかくとして(←タイトルを選んだの誰だよ・爆)。
それから、「500文字の心臓」で第57回タイトル競作「眼球」の投稿作品が発表されました。
どちらにも私は一作ずつ投稿しています。匿名性競作企画なので、作品は明かせませんが、そのへんも楽しみつつ、春のスタートに超短編の奥深い世界に触れてみてもらえたらと思います。
春一番で「眼球」ってどうよ、というツッコミはともかくとして(←タイトルを選んだの誰だよ・爆)。
散歩のおりに神社のそばを通ると、道端に太鼓を売っている男がいた。物置から這い出てきたような風体だ。息子たちが恐る恐る近づくと、いま生き返ったかのように身を起こし、黄色い歯を見せ笑い、威勢よく売り物の太鼓を鳴らしはじめた。カラスの郎党どもが騒がしく枝から枝へ渡りあう。男は腰の巾着袋からよく磨かれた小石を取り出し、息子たちの前に並べた。男が太鼓を鳴らすと、石はころりころりと踊りだし、やがて鼻の高さまで浮かび上がった。息子たちはひゃあと声を上げ、おおはしゃぎで私を呼びつけた。なにを、そんなことあるもんか、と覗きこめば、男は下賎なしたり顔で太鼓を鳴らし、私の鼻の高さまで浮き上げた。種を暴いてやろうと大人げなく石に掴みかかれば、咄嗟に男は真っ赤な顔でめいっぱい太鼓を打ち鳴らし、石はさらに宙へと逃げていく。息子たちもカラスどもも無量にそれを囃し立て、石はするする、太鼓はどろろ。逃すまいと見上げると、私たちの真後ろに天を衝くような大男が立っていた。目も鼻も肉に埋もれ、大きな口から小人の手足がだらりと垂れる。道端を向けば、太鼓の音も男もすべて失せ、息子たちの姿も煙のように消えていた。
(了)
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