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「音撃の島」

 ブリキの兵隊は、絵に描いたように等間隔で三列に並ぶ。ピカピカの軍服に身を包み、よく磨きこまれたラッパをハイ、構え。最後方の三列目はバルブのつまりをスコスコ吹き出す。二列目は胸を広げて深呼吸。一列目は標的を見定めていざ発射!
 見よ、寄木細工の木馬にまたがった敵兵たちのどんぐり帽子がスポン! 炭酸水の王冠をかぶった王様は、宙を舞う帽子を数えて大笑い。
 島はみんなの宝もの。世界中から腕利きのラッパ職人が大志を抱いて舟を漕ぎ毎年毎年やってくる。街灯もポストも鳥かごも哺乳ビンだってみなラッパ。
 やがて、海岸線に巨大な寄木細工の艦隊が押し寄せる。王様は、なんてことないと高笑い。両手の金ラッパで指揮をとり、兵隊は三列になって迎え撃つ。特大の深呼吸、いっせいのせで吹き鳴らす。艦隊の帆をパーン! と撃ち破り、水平線の彼方まで押し戻す。
 島はみんなの宝もの。王様は緑かがやく海を見渡し、国民に囲まれながらシャンパンの栓を抜く。シュポン!

 

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sleepdog

Author:sleepdog
幻想、冒険、恋愛、青春などをテーマにした短編小説をいろいろ書いています。子供のころから妖怪が大好きで、最近は結構ゆるふわなものが好みです。 生まれは群馬県前橋市。現在、名古屋市在住。どうぞよろしくお願いします。

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