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第14回 文学フリマレポート

GWの最終日、5月6日(日)東京流通センターで開催された第14回「文学フリマ」。同人誌即売会の中では小説系のブースが割と多い印象のあるイベントです。

さて、今回は、岐阜の純文系総受け人・加楽幽明くんと、仙台の綺談テラー根多加良さんと、三人で共同ブースを出すことになり、私も思い切って(満を持して?)幻想系ゆるふわ作家として単行本を作ることにしました。

■本が出来るまで
最初に、加楽幽明くんの新刊「シンクロニクル弐號」の寄稿作品を書きあげました。後輩書記シリーズの最新作「後輩書記(中略)逆夢の悪鬼に挑む」です。
※ちなみに、この最新作は私の単行本には載せていません。シンクロニクル弐號でお楽しみください。

実のところ、三月までは名古屋の妖怪話を書いていたり、年度末で働き詰めだったりしてほぼ手付かずでした。
四月になり一息ついたところで、ようやく単行本作りに着手。短期間でそれなりのクオリティを出すために急ピッチで構成を固めました。

まず、これまで「へんぐえ〜桔梗〜」に始まり、いろんな人様の同人誌に寄稿してきた同シリーズを一冊にまとめることにし、なおかつ新作やシリーズ外の妖怪系短編を加えることに決めました。

創作は孤独です。孤独との闘いです。しかし、経験者からの情報は大事だと実感。腑楽さん、秋山さん、鳥子さん、幽明さんらの同人誌に寄稿させていただいた縁を通じて、いろいろ教わりました。

単行本の掲載作品とページ数が決まり、印刷見積をネット予約で確認。広告会社勤務のおかげで、印刷物の知識はあり、見積はスピーディに取れました。三社に合見積りを取ったのはたぶん職業病です(笑)

表紙と挿絵は、四月に入ってTwitterで相互フォローしたばかりの葛城アトリさん。妖怪好きで、ふわっとした女子中学生が描ける絵師さんを実はずっとずっと探していたのですが、アトリさんのサイトやpixivを見て、「この人しかいない!」と一目惚れして即刻メールしました。

後輩書記シリーズの小説も読んでいただき、快諾を得て、早速ラフを描いていただきました。緊張したのはラフを確認する瞬間。メールを開けて、ふみちゃんと数井くんが絵になったときの感動を誰に伝えたらいいのか。心の中で小躍りしました。これがオリジナルキャラへの愛です。
で、構図の調整などを少し相談し、いざ本描きを依頼。

印刷所を決めて、入稿日を連絡し、本当に短期間であのクオリティの表紙と挿絵を描いてくださったアトリさんには感謝の思いが尽きません。
後輩書記とセンパイ会計、不浄の美脚に挑む

次は告知です。
Twitter、文フリ関連サイトなどでひたすら告知を行いました。
文学フリマの公式Wikipediaだけはwiki文法がわからず時間がなく諦めました。文法はいずれ身につけたいと思います。
Happy Readingという立ち読みサイトは本当にいい仕組みです。登録が簡単だし、実際そこで試し読みして買いに来てくれたお客様もいらっしゃいました。

それから、売り場作り。今回一番悩んだのがこれです。
表紙は目立つデザインですし、サイズもA5なのですが、やはり商品が一種類だとかなり寂しい。手芸ブースや常連さんみたいな“選ぶ楽しみ”もないのです。
しかし、ここは広告マンの知恵の絞りどころ。
とりあえず考えたのが、メインビジュアルをいろんなサイズでグッズ展開っぽく物を配置し、賑わいを出すことです。Twitterや立ち読みサイトで表紙を覚えてくれた方も思い出しやすくなります。

もうひとつ、卓上に飾ったのは氷里さんに助言いただいた「妖怪切り絵」。お客さんと妖怪の話を少しするきっかけが作れるし、手芸品の好きな方が文フリ来場者には多いと思います。
材料を買い、半日かけて自作しました。後輩書記シリーズで扱った妖怪をみんな盛り込んだものです。写真を撮って行くお客さんもいて大好評でした。
妖怪切り絵

そして現物。印刷所から直接搬入してもらったので、会場で単行本と初めてのご対面。うわー!すげーきれいな色が出てる。やっぱりクリアPP加工して良かった!
中の紙は上質90kの淡クリームキンマリ。いわゆる文庫本の紙の色です。厚みもちょうどいい。挿絵もきれいに刷れてました。

本をしげしげ眺めていたら、ブース装飾を急がないといけなかったので、布を敷いて本とPOPと値札と切り絵を置きました。
値札にもひと工夫。和風の折り紙で台を作り、カードを差しました。下の布も含め全体ど和物のぬくもりを出すことにしました。

で、完成したブースを記念にパチリ。一般参加者の会場五分前です。
文学フリマブース

あと、本をなぜA5にしたのか、と打ち上げ後に秋山さんから聞かれました。
本の手の収まり感、文字の大きさなどを考えると、A5で二段組みにしようと思いました。あとは、中の挿絵が二点なので存在感を出したい。定型サイズは絵師さんや印刷所とコミュニケーションしやすい。など、いろんな理由です。

■販売スタート
見本誌コーナーに本をセット。なるべく手に取りやすい場所に。発色がきれいなクリアPPはよく目立ちます。
 
ブースには、久しぶりに会う方、初めて会う方も多く訪れていただきました。
以前京希さん主催のオフ会で知り合ったすみたにさんが買いに来てくれました。女子高生のお客さまです。会場早々来てくれるなんて感激です。元気出ました。
SF評論で優秀賞に輝いた渡邊利通さんと初対面!昔、私のシュールコメディ小説にコメントをいただいてからのご縁ですが、買いに来てー!とお願いしたら本当にお越しくださいました。厚く感謝。
添田さん、若千さん、百三さん、タカスギさん、楽士さん、たなかなつみさん、葉原あきよさん、渋江くん、もにょさんらが続々とご来店。渋江くん、ジャケットが暑苦しいです(笑)
月季さんに初めてお会いしました。静岡からとは!しかも差し入れまで!ありがとうございます。
心臓常連のkoroさんもご来店。なんか女優さんみたいでしたよ。根多加さんもテンションMAX!(笑)
koroさん、私の切り絵に興味津々で、売ってくださいと頼まれました。量産できないけど…!次はがんばります。
キセンさん、踝さん、秋山くん、ことひとさん、なっちゃん、鳥子さん、御於さん、中根さん、腑楽さん、五十嵐さんらも来店。※漏れてたらごめんなさい。
ちなみにオチ担当・峯岸くんは閉店間際に来て見本誌を読んで「これってラノベでしょ? 俺ラノベは読まないし」と捨て台詞をかまして去りました。愛なき時代に生まれた男ですよ。お前に読ませるふみちゃんはねぇーっ!(笑)

と、知り合いの方々を紹介しましたが、知り合い以外で本を買ってくださった方はもっと多かったです。
例えば、大学生らしいカップルが立ち止まり「妖怪ですか?」と聞くので「はい、ライトな妖怪ものです」と答えると「じゃあ、買いだね」と二冊ご購入。新時代が来た感じがしましたよ!

という感じで十六時にイベント終了。おかげさまで販売は好調、初めての単行本は三十冊売れました。幽明くんのシンクロニクル弐號も、根多加さんの扱った綺談集や純文学同人誌も好調な売れ行きでした。
私のは、残部のうち二十五冊は密林社様に預けてAmazon通販に。
残りはまた今後のイベントで販売します。今回入手できなかった方は、Amazonか夏のイベント情報をお待ちください。よろしくお願いします。

打ち上げは、秋山くん、踝さん、キセンさん、鳥子さん、もにょさんらの組に合流。有村さんや宵町メメさんとも挨拶。最後はだいぶ眠くなりましたが、秋山くんとサシでもう一軒行き、創作のことなんかを語り合ったりしました。
とりあえず秋山くんはいろはさんの続編で「にほちゃん」という妹を出せばいいと思うな。

■反省会
ひとつやってしまいました。
あれだけきちんと用意した購入特典の特製しおりを、サンプル以外全部名古屋に置いて来てしまいました。ごめんなさい。ごめんなさい。
ゼッタイ鈴子さんにもしばかれる……!
とりあえず、購入者の方々はお会いできる機会にお渡しします。ほんとすいません。

出展者のみなさん、来場者のみなさん、どうもありがとうございました。
またこれからもよろしくお願いします。

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テーマ : 同人小説
ジャンル : 小説・文学

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プロフィール

青砥 十

Author:青砥 十
幻想、冒険、恋愛、青春などをテーマにした短編小説をいろいろ書いています。子供のころから妖怪が大好きで、最近は結構ゆるふわなものが好みです。 生まれは群馬県前橋市。現在、奈良県在住。どうぞよろしくお願いします。

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