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芽吹くもの (作:はやみかつとし) <希望の超短編>

 葉を落とし切った木々の間に張りつめていたガラス状の空気がふっと緩んで、陽炎のように視界を揺らす。
 やっと生き返れる。
 わたしは一歳、かぞえの一歳。春に頬を染め、夏に輝き、秋に物思い、冬にはまた透きとおる。目覚めのときは、いつもあたらしい命。
 けれど、だれもわたしを見たことはない。ただ風と、風のような自由な心だけが、わたしのかたちをなぞって行く。明くる年は赤の他人。それでも、出会えばなつかしく抱擁を交し、わたしたちは愛し合う。

(おわり)


2011/03/16 作者サイトに掲載。著作権は作者にあります。
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テーマ : 超短編小説
ジャンル : 小説・文学

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Author:sleepdog
幻想、冒険、恋愛、青春などをテーマにした短編小説をいろいろ書いています。子供のころから妖怪が大好きで、最近は結構ゆるふわなものが好みです。 生まれは群馬県前橋市。現在、名古屋市在住。どうぞよろしくお願いします。

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