あおぞらにんぎょ (作:松浦上総) <希望の超短編>
青空に僕は、白い人魚をさがす。大好きな母さんが、いつか教えてくれた。
幸せの人魚みつけることができたら。願い事はかなう。僕は強くなれる。
今は君のため、僕は人魚をさがす。君を守るため、僕は空を泳ぐ。
泳ぎつづけ、さがしつづけて、やっとみつけた小さな人魚。あたたかく僕をつつむ、それは君の手のひら。
君を守る。守りつづける。だから、僕はこの手をはなさない。
君のために僕ができること。たったひとつできること。
大好きな母さんを、僕は守れなかった。伸ばした指の先、白い人魚がにげた。
遠ざかる後ろ姿を僕は追いかけたけど。息のつづくかぎり、走りつづけたけど。
君のために僕は、もっと強くなるよ。君のために僕は、きっと強くなれる。
幼い日に、握りしめた、白いちいさな幸せは、空にのぼり、雲になって、もういちど舞い降りた。
君が微笑む。君が寝ころぶ。こんなにも優しいこの世界。
芝生の上で手のひらをかざす。君と空を見上げる。
大好きな母さんに、僕は叫んでみたい。幸せの人魚、ちゃんとみつけたよって。僕は強くなったって。
(おわり)
著作権は作者にあります。
疲れた心に安らぎと光明を。みんなに届け、希望の超短編。
幸せの人魚みつけることができたら。願い事はかなう。僕は強くなれる。
今は君のため、僕は人魚をさがす。君を守るため、僕は空を泳ぐ。
泳ぎつづけ、さがしつづけて、やっとみつけた小さな人魚。あたたかく僕をつつむ、それは君の手のひら。
君を守る。守りつづける。だから、僕はこの手をはなさない。
君のために僕ができること。たったひとつできること。
大好きな母さんを、僕は守れなかった。伸ばした指の先、白い人魚がにげた。
遠ざかる後ろ姿を僕は追いかけたけど。息のつづくかぎり、走りつづけたけど。
君のために僕は、もっと強くなるよ。君のために僕は、きっと強くなれる。
幼い日に、握りしめた、白いちいさな幸せは、空にのぼり、雲になって、もういちど舞い降りた。
君が微笑む。君が寝ころぶ。こんなにも優しいこの世界。
芝生の上で手のひらをかざす。君と空を見上げる。
大好きな母さんに、僕は叫んでみたい。幸せの人魚、ちゃんとみつけたよって。僕は強くなったって。
(おわり)
著作権は作者にあります。
疲れた心に安らぎと光明を。みんなに届け、希望の超短編。
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