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世界で一番明るい町 (作:春名トモコ) <希望の超短編>

 カメラを買ったので、世界で一番明るい町に行くことにした。飛行機で十二時間。半島の先っぽにあるとても小さな町。

 積み木で作ったような単純な町並み。バニラやストロベリー、ペパーミントのアイスのようなカラフルな壁には、美しい模様の装飾タイルがアクセントにはめ込まれていた。にぎやかな色彩で絵付けされた陶器がこの町の名産品なのだ。

 もうひとつ名物がある。ぴっかり禿げ上がった男性の頭だ。町中の禿げ頭にはみんな、陶器と同じような美しい模様がペイントされていた。カメラを向けると、そろって自慢の頭を見せてくれる。町には禿頭専門の絵付師がいるお店があった。このペイントは、自然に禿げた頭にしか許されないらしい。特別なオシャレなのだ。

 たっぷりの日差しの中、派手な頭でおじいさんが歌をうたいステップを踏む。それを見てみんなが楽しそうに笑っている。おなじような光景をいくつも見た。

 わたしはひとつずつ模様のちがう頭をいっぱい撮って帰国した。まぶしい禿げ頭の写真を眺めていると、ふつふつとあの町にいた時の楽しい気分がわきあがってくる。

(おわり)


2007/01/19 作者サイトに掲載。著作権は作者にあります。

疲れた心に安らぎと光明を。みんなに届け、希望の超短編。
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テーマ : 超短編小説
ジャンル : 小説・文学

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Author:sleepdog
幻想、冒険、恋愛、青春などをテーマにした短編小説をいろいろ書いています。子供のころから妖怪が大好きで、最近は結構ゆるふわなものが好みです。 生まれは群馬県前橋市。現在、名古屋市在住。どうぞよろしくお願いします。

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