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たね (作:よもぎ) ♪希望のポケット童話

「ねえ、バァバ」
と子ウサギは尋ねた。
「死んだらどうなるの」
「さあねぇ。バァバも死んだことがないからねぇ」
「でも、ジィジは死んじゃったんでしょ?」
「ああ、そうだね。うん。じゃジィジの話をしてあげよう」
ジィジは、いつでも耳をピンと立てた元気なウサギだったよ。でもやっぱり命の水が尽きる時が来たんだね。あの朝、バァバが起きたときにはもうすっかり冷たくなってた。お弔いの晩バァバは一人でジィジのそばに座っていてね。ついウトウトしちまったのかな。気がつくと死んだはずのジィジが、起き上がってニコニコしてるじゃないか。びっくりしたさあ。
「ばあさん、見てておくれ」
ジィジはそう言うとみるみる光りだしてね。白いまあるい玉になった。毛の一本一本がふわぁとふくらんで、タンポポの綿毛みたいにひとつ、ふたつ、と飛んでいくのさ。そのひとつひとつに豆粒みたいな小さなジィジがぶら下がっていてね。
「じゃあ行ってくるよ」
って、あっちこっちへ飛んでいっちまった。
 え。ジィジはどこへ行ったのかって?さあねぇ。でも最後にひとつ残った小さなジィジは、バァバの手のひらに降りてきてねぇ。すうっと染み込んでいったんだ。そうしたらなんだか、あったかぁくなったんだ。

(おわり)


著作権は作者にあります。

未来に夢と希望を、そして灯火を。ポケットの中の童話。
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テーマ : 児童文学・童話・絵本
ジャンル : 小説・文学

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sleepdog

Author:sleepdog
幻想、冒険、恋愛、青春などをテーマにした短編小説をいろいろ書いています。子供のころから妖怪が大好きで、最近は結構ゆるふわなものが好みです。 生まれは群馬県前橋市。現在、名古屋市在住。どうぞよろしくお願いします。

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