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間に合わない (作:瀬川潮♭) <希望の超短編>

ひょいとつまんでごまだれに浸して、ぱくり。浸しすぎると牡蠣の水炊きを食べてるのかごまだれを食べているのか分からなくなるのでほどほどで。ひょい、ぱく。ひょい、ぱく。ひょい、ぱく。
隣りに座る息子は、最初こそ「牡蠣だ牡蠣だ。ぷにょぷにょの牡蠣だ」と喜んでいたくせに、今では眉をひそめ危険物でも扱うように箸の先でつまみ上げてはごまだれで遊び、顔をしかめてべちゃべちゃ食べている。息子の対面の娘は、米国留学帰りらしく「オゥ、フェダップネ」といわんばかりのたたずまいで箸はまったく進まず。妻はドロップアウト。コタツにうつぶせになっている。
だもので、自然と鍋の中で凄いスピードで無限増殖している牡蠣のむき身は私の対面の妻の方にあふれているわけで、妻、ぷにょぷにょの牡蠣まみれ。それはともかく反動推進で進み続ける一家団欒のコタツはすでに自宅を出て公道を爆走しているわけだが私は一家の大黒柱として家族を守らねばならぬ。背を向けているので前は見えないが赤信号を無視しきききどかんと周りで事故が起きていようが断じて負けるわけにはいかんのだ! このぷにょぷにょには! ひょいぱくひょいぱくひょいぱく……。

(おわり)


2007年作品。著作権は作者にあります。
管理人コメント:食べ物を粗末にしてると感じるかもしれませんが、むしろ私はこういうユーモア作品を楽しめる日常を取り戻したいです。

疲れた心に安らぎと光明を。みんなに届け、希望の超短編。
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テーマ : 超短編小説
ジャンル : 小説・文学

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sleepdog

Author:sleepdog
幻想、冒険、恋愛、青春などをテーマにした短編小説をいろいろ書いています。子供のころから妖怪が大好きで、最近は結構ゆるふわなものが好みです。 生まれは群馬県前橋市。現在、名古屋市在住。どうぞよろしくお願いします。

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