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桜とすずめ (作:三里アキラ) ♪希望のポケット童話

 桜のおじいさんが、ぽつんと一人、丘の上にいました。

 すずめの子供たちがピピピチュンチュンとやってきました。
「おじいさん、遠くを見つめてどうしたの?」
 桜のおじいさんは答えます。
「寒い春じゃな」
 すずめの子供たちはピピピチュンチュンと騒ぎます。
「寒いけれど、ちゃんと春は来るよ!」
「寒いならぼくたちが暖めるよ!」
 すずめの子供たちがいっせいに木の枝に擦り寄ります。
「ははは、暖かい、くすぐったい」
 桜のおじいさんは笑顔になりました。

 しばらく寒い日が続きましたが、やっと日差しそのものが暖かくなってきました。

 桜のおじいさんは枝のつぼみを開きます。
 薄桃色の花びらがやわらかく開いて、すずめの子供たちがまた騒ぎます。
「おじいさんおじいさん、すごいね、きれいだね!」
 桜のおじいさんは答えます。
「どうだい、いい春じゃないか」
 すずめの子供たちはびっくりしました。
「遠くからでも春が来たってわかるね!」
「春ってこんなにいいものなんだね!」
 桜のおじいさんはすずめの子供たちに言いました。
「けれど、これほどきれいに咲けたのはきみ達がいたからだよ。ありがとう」

 桜のおじいさんは春の光に包まれて、すずめの子供たちに囲まれて、幸せそうに笑いました。

(おわり)


著作権は作者にあります。

未来に夢と希望を、そして灯火を。ポケットの中の童話。
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テーマ : 児童文学・童話・絵本
ジャンル : 小説・文学

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sleepdog

Author:sleepdog
幻想、冒険、恋愛、青春などをテーマにした短編小説をいろいろ書いています。子供のころから妖怪が大好きで、最近は結構ゆるふわなものが好みです。 生まれは群馬県前橋市。現在、名古屋市在住。どうぞよろしくお願いします。

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