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クルタムマルクがやってくる(作:楽遊)♪希望のポケット童話

「プルペンポップ リリルンプレパ」
 ふしぎなお歌を口ずさむ。クルタムマルクがやってくる。
 綿毛に乗って、やってくる。
 白くてやわらかいボウシをかぶり、羽みたいな服を着て、きれいな緑色のネクタイ、赤いハートをむねに一つ、まっさおなスニーカーのかかとをならし、
「プルペンポップ」
 ふしぎなお歌を口ずさむ。クルタムマルクがやってくる。
 風にふかれてふわふわり。
 泣いているおんなのこの肩へ、綿毛がクルタムマルクをはこんでいく。
「リリルンプレパ」
 おんなのこの肩の上、そっとやさしく耳もとで、クルタムマルクはふしぎなお歌を歌ったよ。
 クルタムマルクの姿は人にはみえない。
 クルタムマルクの声はとっても小さい。
 けれど「プルペンポップ」は魔法のお歌。みるみるおんなのこが泣きやんだ。
「あははは、うふふ」
 なみだも乾いてわらいだす。
 わらい声がクルタムマルクの綿毛をとばす。
 ふわり、おんなのこのあかるい声が、つらくてしゃがみこんでいるだれかの肩へ、クルタムマルクの綿毛をはこんでいく。
「プルペンポップ!」
 だれかの肩からまただれかの肩へ。
 つぎからつぎへと飛びうつり、クルタムマルクは歌い続ける。
 だれかのわらい声がだれかにとどくたび、笑顔のわっかがひろがった。
 そんなとき、泣いているおとこのこの肩にクルタムマルクがやってきたとき、クルタムマルクをずっとみていた小鳥がいった。
「ふしぎなお歌を歌うキミ。もしキミが歌い疲れたときは、いったいだれがキミにお歌を歌ってくれるのかい?」
 クルタムマルクは小鳥を見あげた。
「そんなときはね、ボクは耳をすませるんだ。いろんな音の中にほら、キミにもきこえてくるだろう?」
 クルタムマルクと小鳥の耳に、からから気持ちのいい音が。後ろの方から聞こえてきたよ。
 さっき泣いていたおんなのこ。げんきいっぱいにやってきて、笑顔でおとこのこの手をぎゅうっとにぎる。
 おとこのこはきょとんとしてね、おんなのこはにこにこしていて、そうしたら、おとこのこもにっこりわらった。
 クルタムマルクも笑顔になった。
 小鳥は羽をたのしく広げた。
「ごきげんよう! クルタムマルク」
 小鳥は笑顔でとんでいく。小鳥のいく先でまた、笑顔がひろがる。
 ふわり、そよ風が、クルタムマルクの綿毛をやさしくとばす。
 わらいあうこどもたちに手を振って、クルタムマルクは今日もいく。
「プルペンポップ リリルンプレパ」
 ふしぎなお歌を口ずさみ、クルタムマルクがやってくる。
 もしキミがどうしようもなくつらいとき、どうしようもなくひとりぼっちだったなら、ほら、耳をすませてごらん? きっと、きこえてくるよ。
「プルペンポップ リリルンプレパ」

(おわり)


著作権は作者にあります。

未来に夢と希望を、そして灯火を。ポケットの中の童話。
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テーマ : 児童文学・童話・絵本
ジャンル : 小説・文学

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Author:sleepdog
幻想、冒険、恋愛、青春などをテーマにした短編小説をいろいろ書いています。子供のころから妖怪が大好きで、最近は結構ゆるふわなものが好みです。 生まれは群馬県前橋市。現在、名古屋市在住。どうぞよろしくお願いします。

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