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「頭蓋骨を捜せ」

 借り物競争で僕は唖然とした。必死で一番に箱へ飛びついたのに何というくじ運の悪さだ。
 パッと思いついたのは、二階にある理科室の人体模型だった。夕暮れ前のひっそりした校舎に突入し、階段を駆け上がる。理科室は突きあたり。「廊下を走るな」なんて張り紙は無視して全速力で突っ走る。そして、理科室のドアを勢いよく開けたとき、人体模型が血相を変えてこっちに振り向いた。定位置を離れ、ヘビをホルマリン漬けした瓶から骨を取り出そうとしている。
 ふたりのあいだの時間が止まる。
『一組ガンバレ! 二組ガンバレ! 三組負けるな!』
 校庭の実況が理科室にも聞こえた。やばい、足を止めてる場合じゃない。
 すると人体模型はヘビの骨を握り締め、僕のほうに突進してくる。僕はもう無我夢中になって、ラリアットで思いきり首をなぎ払う。激しい音を立て人体模型は分裂し、床に倒れた。起き上がるかと構えたが、首が外れるともう動かなくなった。僕は欲しかった頭部の模型を拾い、何も考えず理科室を飛び出した。
 廊下に出ると、薄暗いトイレのほうから「あら、邪魔されちゃったのね」と女の子の笑い声がした。
 あいつもまた校舎で誰かと競っていたのだろうか。



*  *  *  *

「500文字の心臓」タイトル競作投稿作品。
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No title

某所予想では緑の御仁作かとおもったですが、犬兄ィ作でしたか。
ニアーっちゃニアーな予想だったんでしょうか?

>反故社さん
コメントありがとうございます。
ニャーっちゃニャーってネコかよ!あ、言ってませんか、すいません(笑)
そうです私でした。こういうタイトルだと、ついパラレルワールドに走りたくなるんですよね(笑)

平均年齢

視覚イメージがわきやすくて、映像的で、とか理屈はともかく一番面白かったです。
ただ、正選票を入れた人たちの平均年齢が高めですよね。(僕の36を筆頭に)
アラフォー受けしたのかも?
戴冠の暁には恩に着せるつもりでしたが、残念でしたね。次点は一番多いのですから、次点王ということで。

>松浦上総さん
感想&貴重な一票をどうもありがとうございます。
面白かったと言ってもらえて手離しに嬉しいです。別にアラフォーを狙ったわけでもないですが(いつも読者の狙いをつけてるわけじゃないので)、こういうシュールで映像的でカラッとした作品が好きな人はきっといるだろうな、と思って書きました。
ちなみに、走る人体模型と言えば、かつて少年ジャンプで連載してた「地獄先生ぬ~べ~」を思い出します。松浦さんがこれを分かるとしたら、今回選んだモチーフが漫画好きの30代男性に受ける理由かもしれませんね(笑)
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Author:sleepdog
幻想、冒険、恋愛、青春などをテーマにした短編小説をいろいろ書いています。子供のころから妖怪が大好きで、最近は結構ゆるふわなものが好みです。 生まれは群馬県前橋市。現在、名古屋市在住。どうぞよろしくお願いします。

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