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海牛の尾が過ぎた朝(作:sleepdog)<希望の超短編>

 海牛の尾が過ぎた朝、学校の屋上に一番乗りに駆け上がる。いつもは鍵がかかってる。でも、吹っ切れた勇者を前に鍵なんか通じるものか。脳天をかち割るつもりで突っ込めば、ほらドアはもうそこにない。
 屋上からの景色は壮観だ。見ろ、家という家が全部裏返りめくれあがっている。立ってる奴はみんな同じ顔をしているな。疲れてる。眠れない。肩を寄せ合っている。
 空を見ろ。冬が手を振り去っていく。春の少女がやって来た。春はここだ。春はここ。じゃあ俺は。
 とにかく大きく息を吸い、ここから遥か上空へ、跳べるだけ跳べばいいのだ。
 柵に片足を乗っけると、女子バレー部が春の大会出場って垂れ幕がブロウブロンと鼻っ面で舞い躍る。鬱陶しくてかき毟ると、垂れ幕は細かくちぎれて、花吹雪のように曲がりくねった川になる。
 跳びこみたい誘惑に駆られるのも仕方ない。靴なんか最初から履いてない。
 野鳥、魚群、天空、流星群。向かってくるのはその順番。そして、北や西から東や南から何本もの虹が見事なまでにクロスする美しさ。
 全速力でくぐり抜け、走っても、転がっても、目的地なんか気にしない。衛星から見ればみんなご近所だ。
 青春まんなかグラフィック!
 引きつった笑顔を丸い神様に向けたとき、土星の輪っかが半額で売っていた。

(おわり)


希望をテーマにした「希望の超短編」募集中!1000文字以内で希望を描き出そう!
ブログやサイトのない人はsleepdog550@yahoo.co.jpに作品を送ってください。タイトル、作者名、作品本文のセットでお願いします。
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テーマ : 超短編小説
ジャンル : 小説・文学

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Author:sleepdog
幻想、冒険、恋愛、青春などをテーマにした短編小説をいろいろ書いています。子供のころから妖怪が大好きで、最近は結構ゆるふわなものが好みです。 生まれは群馬県前橋市。現在、名古屋市在住。どうぞよろしくお願いします。

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